この家にはこども部屋という部屋はなく、そのかわりに、お子様が自由に、のびのびと遊び、ご家族と共に過ごすことができるスペースを設けました。将来的には、建具で区切ることで、壁で区切られた部屋ではない開放感のある大きな遊び部屋、大きなこども部屋としてお子様にお使いいただきたいと思います。

キッチンを囲むようにL型のリビングを設けました。リビングとキッチンに段差を設けることで、リビングで座って遊んでいるお子様やリビングで寛ぐ家族との目線と、キッチンで料理をする方との目線が近くなり、会話が弾み、キッチンを含めたリビングの全体の一体感を感じていただけます。

一般論ではありますが、奥様は家の中で最もキッチンにいると言われます。そんなキッチンを家の中心に配置しました。そして、こどもの遊ぶスペースは吹抜けを通してキッチンとリンビングと繋がっており、キッチンやリビングの声など家族の存在を家全体で感じることができます。

多くの方は人生の中で一度しか家を建てませんが、住む家は2つあると私は考えています。子供の頃住んだ両親が建てた家と、そして、大人になってから自分が建てる家です。 自分で家を建てる時、多くの方は子供の頃育った家を思い出し、そこにはなかった工夫をしようします。雑誌を見たり、SNSを見たりして理想の家を思い描いていきます。しかし、それにもかかわらず自分が思い描いた家が建つと、どことなく子供の頃育った家に似たところがあったりします。それは子供の頃感じたぬくもりが自分自身の中にあり、家自体にそのぬくもりを求めているからだと思います。だからこそ、ぬくもりも住宅も十人十色であってほしいと私は考えています。